比叡山延暦寺へケーブルカー・バス・電車と徒歩で行ってみた
去年(2023) 9月から10月末まで長期休暇をとり日本へ飛び、京都市内外の禅寺で座禅くんでみたり神社仏閣を回ったのですが、今回はその中で比叡山延暦寺へ公共交通機関で行ってみた探訪記です。
比叡山延暦寺はものすごーく広い!
行ってみて驚いたのは延暦寺がカバーするエリアのその広さ。とにかく広範囲に多数の文化財級の寺院がちらばっています。
その広大な延暦寺のスケールを目にして現地で途方にくれないために、事前に持っておきたい情報を以下に紹介します。
延暦寺に行く前に知っておきたいこと3つ
とりあえず事前に最低限頭に入れておきたい情報3点、
ということを知っておくと良いです。
788年最澄が延暦寺開山・天台宗が華開いた・世界文化遺産とかすごいです。でもそれよりも、現地はものすごーく広いので道迷い防止の観点から上記3点を覚えておいた方が現地ではよっぽど役立つよね、と感じました
横川地区: 足場が厳しい箇所がある
行ってみた感想としては
- 東塔・西塔の2地区はかなりよく道路が整備されており、体力のない方・足腰に少し不安のある方でも誰かの補助があれば参拝できる感じ
- 横川地区はアップダウンがきびしく、足場がわるいエリアもあるので注意
僕が行った時期の横川地区は広い範囲で道路工事中だったせいか、足場が悪い区域が多かったです。
*上記は2023年10月時点の情報です。最新の道路の状況は☟下リンク先の比叡山延暦寺連絡先番号までご確認下さい☟
比叡山延暦寺へのベストな行き方は公共交通機関
公共交通機関でも車でもそれぞれ利点があるので、正直どちらでもいいと思います。
ただし観光のピーク期、ハイシーズンの週末は車だと道が混雑し駐車場でも待たされるでしょう。すると車内で皆さん身動きできないまま、ただひたすら待ち続けることになりますよね。
トイレ近い人にとってはつらみ…とくに運転してる人は地獄…
その点は路上で缶詰になるおそれがない公共交通機関を使う方が、わずかに勝ってるかなという感じです。
観光ハイシーズン土日であれば、公共交通機関使う人はバス待ちで一時間ならぶはめになるので、どっちもそこそこの地獄になるのは同じかと
ちなみに比叡山へ行くときの人気の交通手段「坂本ケーブルカー」に乗った時の記事も書いてますので、よろしかったらどうぞ☟
お得な交通機関チケット (電車・ケーブルカー・バス)
僕のおすすめは複数の京阪電車の駅で買える【比叡山延暦寺巡拝 大津線きっぷ】。
なぜおすすめかというと、これ一枚で
というチケットなんです。
料金は一日大人一人3600円。
高い!と今思った方は、ちょっと考えてみましょう。
僕も各交通機関公式サイトを見てそれぞれの通常料金と比較してみましたが、たしかに通常料金よりも割安になってますし、しかも乗り放題です。しかも
という心理的なストレスが無くなったおかげでイライラせずに済んだのは現地で非常に有難かったです。
注意すべきは「大津線」と「京阪線」の2種類がある点。
僕は比叡山めぐりしていた期間は琵琶湖のほとりに宿泊していたので「比叡山延暦寺巡拝 大津線きっぷ」を利用しました。
*きっぷの最新情報は☟の京阪電車の公式サイトでご確認下さい☟
京阪電車の公式サイト比叡山延暦寺巡拝 大津線きっぷの詳しい情報はこのリンク先にあります
比叡山内を効率的にめぐるにはシャトルバスを使う
比叡山延暦寺まで公共交通機関で来ている方は大半が比叡山内シャトルバスに乗って東塔・西塔・横川の3地区を回ると思います。
そもそも上で紹介した京阪電車が販売している【比叡山延暦寺巡拝 大津線きっぷ】にシャトルバス料金も含まれていますし、乗らない手はないです。
ただし30分に1本なのでバスの出発時間に注意しながら余裕をもって動きましょう。
坂本ケーブルの最終便に乗り遅れる、これがどれだけ最悪な事態になりかねないのか?については後で説明します
比叡山延暦寺へ行く狙い目の時期は閑散期
僕の個人的な意見ですがオフシーズン、それも平日がベストです。
オフシーズンというと桜満開期やゴールデンウィーク直後の晩春を思い浮かべる人も多いと思います。
が、今回僕が行った初秋(9月半ば~10月末まで)の季節もなかなか良かったです。紅葉の季節が始まる前のオフシーズンだからどこも空いているんです。
あと僕にとっての超重要ポイントなのですが
心理的なゆとりはより良いサービスにつながる。この恩恵は大きいですよ。
このために僕はオフシーズンを狙って日本へ帰省する・旅に出る、といってもいいくらいです
どの観光地へ行くにもオフシーズン平日にまさるものなし、と感じています。
比叡山延暦寺を一日で回るモデルコース
比叡山延暦寺のお寺を一日で回ってみたい、それも前述の【比叡山延暦寺巡拝 大津線きっぷ】を利用する場合、モデルコースとしては
上記の計画なら一日で三塔エリアにある主な寺院をカバーできて良いかな、と考えます。
*補足ですが☟以下の点もおさえておくと良いと思います☟
比叡山で実際に僕がめぐった場所・やったこと
僕は一日ではなく三日に分けて比叡山に入ったのですが、参拝したのは以下の寺院となります。
- 東塔エリア(根本中堂・大講堂・法華総寺院東塔)
- 西塔エリア(釈迦堂・にない堂)
- 横川エリア(横川中堂・元三大師堂)
あれ? 東塔の国宝殿や横川の恵心堂とか見てないの? とお思いの方もいらっしゃるかもしれないのですが、
目的が【日本の禅寺で座禅瞑想をする・比叡山内を縫う自然歩道を走る】だったので、拝観以外のことをする時間も多かったです
絶対に拝観したい寺院のみ訪問、それ以外はたいてい東海自然歩道をトレイルラン装備で南北へ走ったりしていました。
それと延暦寺会館(比叡山の宿坊)で座禅組んでみるということもやってましたね。座禅体験は2名以上から受け付けるとのことなので友人を誘って行きました。
比叡山での座禅体験の感想は「こんなものですかね…?」という感じ。けっこう普通でした。
ものすごく広大な比叡山内の三地域にちらばって建つ寺院への参拝・自然歩道を走る・座禅瞑想してみる、となると一日でやるのは不可能なので三日に分けて比叡山に登っていました。
ここからは僕がめぐった場所の写真を見てみましょう。
東塔エリア(根本中堂・大講堂・法華総寺院東塔)
根本中堂
延暦寺の総本堂たる根本中堂。どの旅行サイトにもその威風堂々たる建築が太陽の光のもとに立つ綺麗な写真が載っていますね。
…が、実際行ってみると、そんなことは全くないです。
2024年9月現在でも大規模な修復・補強作業が行われているので、根本中堂全体がまるごと防護壁に包まれて保護されており、庭から根本中堂の美しい建築を見ることはできないのです(*この大改修作業は2026年頃に終了する予定)
そりゃそう叫びたくもなりますわな
叫ぶ気持ちも分かりますが、ご心配なく。防護壁にはちゃんと参拝客を迎え入れる入口があり、根本中堂の中に入って参拝できます。
むしろ大規模修繕作業中でありながら、しっかり平常運転を貫いている現場の方々の姿には現場で見ていて思わず頭が下がりました。
最澄が延暦寺を開山し点火して以来1,200年ものあいだずっと絶やすことなく灯し続けているという「不滅の法灯」も拝めます。
外観は現在は見られませんが、中に入ってみると長い歴史を感じさせる内装や仏像が拝めるし、不滅の法灯も拝むことができます。実際見るとやはり圧巻で、なんとも感慨深い思いに満たされます
以上のような事情により、今回は根本中堂そばに建つ立派な銘入り石碑の写真のみ。
大講堂
よく旅行サイトの写真に大きく載ってる大講堂。この時は法華大会という行事の実施中だったので内部見学は不可でした。
東塔エリアは全体的にとてもよく整備されています。大きな階段や坂はあるにはありますが、それほどアップダウンは厳しくないです。
阿弥陀堂(右側)と東塔(左側の塔)
けっこうな坂と幅広なコンクリ舗装の階段を登ったところにあります。というか比叡山延暦寺全体が坂だらけ。
最澄が日本中の6か所に仏塔を建て国全体を守護する祈りをこめた、その中心となる塔がこの東塔。
文殊楼
なぜか長い石段の下から文殊楼を見上げてる写真しか僕のスマホにはなかったです(笑) 文殊楼は国の重要文化財にもなっている延暦寺の本堂(つまり根本中堂)へとつづく山門。
その昔は坂本の門前町から参拝者の皆さんが坂を登ってきてこの山門をくぐり、延暦寺内にちらばって建っている多くの寺院に参拝したのだそう。
西塔エリア(釈迦堂・にない堂)
東塔エリアから走ってきて西塔エリアへ突入。
常行堂・法華堂 (にない堂)
国の重要文化財。あの弁慶が背中にこれら2つのお堂を載せてになっている姿を連想させるという意味で「にない堂」の異名がついたといわれています。
僕が行った時は前日に雨が降ったあとだったせいか、地面や舗装路面が湿っている部分もありました。大きな下り坂では滑って転ばないように注意深く歩く必要があります。
釈迦堂(転法輪堂)
西塔エリアの本堂がここ。国の重要文化財。もともと三井寺(園城寺) の金堂でしたが、豊臣秀吉がここへ移転させたそうです。非常に重厚な作りで屋根の形が印象的。
延暦寺に行く前に僕は三井寺にも行っていたのですが、三井寺も広大でいろいろとすごかったです!
この釈迦堂が以前は三井寺にあったというのも当時の政治闘争がちょっと感じられる気がします
西塔エリアまで来るといよいよ比叡山の森の奥深くに来た雰囲気です。上のにない堂の所で書いたように地面の湿気が乾きにくいらしく、苔むした部分もけっこうありました。
あと西塔にある寺院建築は東塔のもつ古代の学術施設風・優美な建築に比べ、大きく重厚・男性的なスタイルが多いなと思いました。
横川 (元三大師堂・横川中堂)
「横川はきびしかった」と冒頭で僕が言った理由はズバリ、これ。
防災設備の工事がない時のふだん使われている道は足場はわるくないのだろうと思いたいのですが、
横川地区の足場の悪さがハンパなかった ( ゚Д゚)
とくに元三大師堂へ向かうまでの道は大きな石だらけで足元ガッタガタでした。それで冒頭で思わず「横川は足場が悪かった」との感想になったのです。
入口の巡拝受付・観光案内所の辺りまでならまだ道路も平坦なのでまだイージーモードなハイキング気分で歩けます。
しかし!!
ある地点から路面がガタガタの砂利道へ変わり、さらにそのあと僕のこぶしよりも大きい岩石がゴロゴロと表面を埋めつくす、非常に足場が悪い道に変貌。
「イージーモード= 普通のハイキング」からとつぜん
「足首ねんざ上等!スタイルのハードモード= 岩山トレッキング」
へ豹変するのです。
「足腰鍛えててよかった」と心の底から思いました
僕が知ってる限りで横川の工事迂回路のきびしさは、
僕がかつてネパールの山奥に立つ寺院を訪ねようと全身登山装備で断崖絶壁を歩いた時の足場の悪さレベルです。
すみません、驚きのあまり誇張が入ました…とはいえ横川地域参拝は足腰に不安のある方は車いすでも無理でしょ、と冗談ぬきで思いながら歩いてました。
*以上は2023年10月当時の状況ですので、あれから一年たった今では整備された道路になっている可能性はあります。
しかしながらその後の情報が見当たらないんですよね。比叡山延暦寺の横川地区に行ってみた強者の皆さん、ぶっちゃけ情報求む。
元三大師堂 (四季講堂)
さてネパールの山奥トレッキングトレイルとタイマンはれるくらいにガッタガタな工事迂回路を踏み越え、捻挫も転倒打撲もせず、なんとか元三大師のお堂までたどり着きました。
まだ午後3時半にもなっていないのですが、ここ横川地域は比叡山の森の奥の谷底みたいな地形。森の木々のあいだから少しだけ見える空は雲に覆われ、すでに夕暮れの雰囲気がただよってきています。
国宝とか重要文化財よりも、僕はこの人に興味があってはるばるシンガポールから日本へ飛んで比叡山延暦寺までやってきたといっても過言ではない。その人の名は
慈恵大師良源(元三大師)またの名を「角大師」。
まずルックスが強烈で非常にキャラが立っている人物です。
元三大師は病魔退散の祈祷中になぜか角が生えガリガリに骨と皮だけの悪鬼みたいな恐ろしい姿に変貌したという逸話があり、その異様な姿を写したお札は病魔をはじめ、ありとあらゆる災厄と滅すると21世紀の日本でも根強く信仰されているのです。
僕がこの元三大師堂に参拝した時、お香の香りがたちこめる中、ひとりの女性が祭壇のロウソクの炎を見つめて一心に祈りをささげていました。
おそらくあの女性はご自身か大切な誰かの病気治癒を願い、比叡山の森の奥までやってきて、病魔退散のご利益で知られる角大師に届けとあんなに真剣に祈っていたのでしょう。
まったく知らない方ですがその強い願いが届きますように、と思いながら元三大師堂を後にしふり返って撮ったのが上の写真でした。
横川中堂
元三大師堂(四季講堂)のほかに横川中堂も訪ねてはいたのですが、石だらけのガタガタな悪路を足首ねんざしないように全集中しながら速歩きしたせいで写真を撮るのも忘れていたみたいです。よって横川中堂の写真は無し(苦笑)
延暦寺: 昼食をとる店はそれなりにある
比叡山巡拝中にお金と時間をムダにせず昼食をとりたい人向けに、僕が食べてみた食事処について情報共有いたします。
実際に比叡山に行って食べてみた僕が忖度ぬきでリアルな感想をシェアします
延暦寺バスセンターにある「鶴喜(つるき)そば 比叡山店 大講堂」
こちらはフードコート方式のカジュアルなそば屋です。
鶴喜そばさんは比叡山のふもとの坂本の街に立派な店構えの本店があるのですが、同じような風情あふれる店舗とサービスを期待してはダメ。ここにあるのはあくまでフードコートです。
味はそこそこ美味しいです。サクッと腹ごしらえして寺院巡拝を楽しむのに向いてます。値段はとくに高くもないです。
僕はここで冷たい門前そばを食べましたが、その日はけっこう気温が高かったので美味しくいただけました。
当時はブログをやることを想定していなかったし写真がないのですが、バスセンターのりば至近という便利な場所にあるので使い勝手がよいです
延暦寺会館の2階にある「望湖(ぼうこ)」
延暦寺会館2階にあるレストラン。窓際席からは緑の森のむこうに広がる琵琶湖も見え、爽やかな眺めが見えます。宿坊の中にある食堂なのでもちろん精進料理です。
僕はここで「比叡御膳」 (ひえいごぜん) を頂きました。精進料理ですが美味しかった!
とくに赤こんにゃくとごま豆腐が味がしっかりしてて(゚д゚)ウマー!!
湯葉・山菜・きのこ・油揚げの入ったあつあつの湯豆腐・生湯葉や手作りごま豆腐、赤こんにゃく、地元の野菜が食べられます。料理には比叡山の湧き水を使っているそうです。
平日午前11時ごろでしたが、リクエストなしで森のむこうに琵琶湖が見える窓際の席に案内してもらえました。
席についたとき正直
『ガチ精進料理なんて食べたことないし俺は身体大きいし、あっさりベジタリアン料理で身体もつのかな?トレイルラン気分でけっこう走ってるしちょっと不安…』
なんて思ってたんですが、全く心配いらなかったですね。栄養価高いのかも!
昔は比叡山の僧兵もこれ食って織田信長軍と戦ってたんだろ?
寺の精進料理おそるべし
*最新の情報は☟望湖(ぼうこ)の公式サイトでご確認下さい☟
延暦寺会館2階・望湖(ぼうこ)の公式サイトはこのリンク先で見られます
延暦寺会館の1階にある「喫茶 れいほう」
延暦寺会館1階のカフェ。店内はゆとりのある客席配置で、休憩するにはかなり良かったです。
僕が入った時にはお客さんは若い女子が2人、それぞれの席でお茶を傍らにスマホいじってるだけで広々とした店内に静かでリラックスした空気が流れています。
しかも窓際席からは森の木々のかなたに広がる琵琶湖も見えます。
ここでは抹茶ラテをたのむとラテの表面に梵字を抹茶パウダーアートで書いてくれるというので、さっそく頼んでみます。
梵字抹茶ラテは見た目もいい感じに映えるし美味しかった。
この梵字・抹茶ラテの提供は午後4時までだそうです。
横川から東塔まで自然歩道を走った後この「喫茶 れいほう」に入ったのですが、緑の森のむこうに琵琶湖を眺めを見ながらゆっくり休めました。梵字ラテのおかげでシャキッとした状態で帰路につくことができました
喫茶れいほう最新情報は☟下の公式サイトからご確認下さい☟
「喫茶れいほう」問い合わせ先はこのリンク先の延暦寺会館公式サイトにあります
坂本ケーブルの最終便の出発時刻に注意しよう
最後に注意事項です。
なぜ乗り遅れる人が出るのか?というと、坂本ケーブルの最終便が出発する時刻がかなり早いのです。
夏季(3~11月)で午後5時30分、冬季(12~2月)は午後5時。寺院の受付所が閉門する時刻も早いです(午後4時にはすべての施設が閉門する)
普通に観光している気分でいるとこの比叡山独特のサービス終了時刻の早さをつい忘れてしまいます。
しかし最も注意しなければならないポイントは
なぜ「山岳遭難」という言葉が出てくるの?についてはこのあとで説明します
日没後に比叡山の山道を下山するのは危険
僕が行った時、ケーブル延暦寺駅内には
「登山届を出しましょう!遭難しないよう、きちんと準備して登山計画を立てましょう」
と書かれた遭難防止の注意喚起ポスターがものすごーく目立つように何枚も貼ってありました。
下りのケーブルカーを待ちつつ、それらのポスターを眺めていて思ったのですが、これって
ふと思いつきでケーブルカーに乗ってみた
→ 自然歩道に入り歩いてたら日が暮れてしまった (でも思いつきで来たから所要時間と距離の計算もできず)
→ 登山装備などないし、タクシー呼ぶも来てくれない、暗闇で待つの怖い、クマ出たらどうしよう!とパニックになり、夜の比叡山の森の奥からひとりっきり号泣しながら警察に救援要請
のパターンで遭難がけっこうな件数で発生しているのではないですかね?
実際に現地では閉門時刻などの知識もなしに巡回シャトルバスに乗ろうとしてる方々を見かけました
またべつなある日の午後、西塔から横川に向かうシャトルバスに午後3時すぎに乗ってみたのですが、そのときバス運転手さんが僕にかけた第一声が
「横川行きですが、大丈夫ですか?」
だったんです。とっさに僕は
「横川で大丈夫です」
と即答したのですが、あれってたぶん運転手さんは
【今3時ですよ…貴方よほど計画的に行動しないと、帰りのバスに乗り遅れますよ?】
と内心ちょっと心配しつつ声かけしてくれたのだろうと思っています。
(実際は残りの時間・体力計算済みでトレイルラン装備だったので無問題でしたが)
くり返しますが、もし坂本ケーブル最終便に乗り遅れたらタクシーを呼ぶことになると思います。しかしタクシーがいつ来るか(しかもそもそも来るのかどうかすら)不明なので、なによりも「ケーブル最終便に乗り遅れない」が重要です。
またもし日が沈んだ後の真っ暗な比叡山を徒歩で下山強行するのであれば、登山用装備持ちの山歩きの知識が豊富な人以外は危ないです。
山の事故からの遭難となる可能性
「は?? 比叡山で遭難?? ナニイッテンノ?」となる人が多い印象なのですが、比叡山(というか標高が低い山を)甘く見ると危ないです。
なんと去年1年間に比叡山で遭難した人は5人もいます (☟下リンク先の京都府警統計をご覧ください☟)
しかもこれ、京都府警管轄分の遭難だけで5人です。
滋賀県警管轄分の数値も(ネットでは見つかりませんでしたが)合わせたらもっと遭難件数が増えるのではないでしょうか。
ケーブルカー駅構内に「登山届は出しましたか?」と遭難防止のために注意喚起ポスターがすごく目立つように複数貼ってあったのはそういうわけか!!と思いました
仮にもし日が落ちた真っ暗な比叡山の森をひとりきりで、夜間登山用のヘッドライトや懐中電灯もなしに、足場も見えないまま降りるとしますね。
それでもしも運悪く山道から滑落、負傷して動けなくなったら、そのまま真っ暗な森の中でたったひとりでうずくまったまま寒さ・空腹感・骨折や打ち身・切り傷の痛みと恐怖に震えながらスマホで警察に救援要請出すはめになります。
それ普通に山岳遭難
だから「そもそも坂本ケーブルの最終便には乗り遅れないようにしよう」ということなのです
夜の比叡山の山道を装備なしで単独下山すると、上に書いたシナリオで詰んでしまう可能性があります。そのようなハイリスクな冒険をしなくてすむよう、坂本ケーブルの最終便にだけは乗り遅れないようきっちり時間管理しましょう。
比叡山の登山道を外れてイノシシやクマに襲われる可能性もある
比叡山にはイノシシが出ます。また近年はクマ出没件数が増えています。
僕が比叡山に行く少し前の8月11日に比叡山 (京都の八瀬方面の方角)にクマが出て人が襲われ負傷した事件が起きていました。
京都・左京の比叡山で「助けてー」悲鳴 クマに襲われた女性はどう生還したのか | 京都新聞 https://t.co/cum3jlbuws
— 京都新聞 (@kyoto_np) September 2, 2023
このように(たいていは登山道や自然歩道から外れてしまった場合)クマやイノシシに襲われる可能性は比叡山でも十分ありうるので、意識しておくべきだと思います。
まとめ
今回【比叡山延暦寺巡拝 大津線きっぷ】を活用し世界遺産である比叡山延暦寺の東塔・西塔・横川の全3地域の寺院・史跡を巡拝する方法と一日モデルコースを紹介しました。
また僕自身が2023年秋に比叡山めぐりをした時の感想を写真を交え公開しました。青紅葉が美しい初秋の比叡山はその森の彼方に琵琶湖が広がる眺めがすばらしく、延暦寺の誇る国宝級の仏教建築や仏教美術をじかに鑑賞できます。
ただし比叡山は意外と遭難件数が多く、近年ではクマに襲われた事件も起きています。登山道から外れない・ケーブルカーの最終便に乗り遅れないなど安全管理に注意しましょう。
皆さんが安全に比叡山延暦寺の魅力を堪能できる一助にこの記事がなれれば幸いです。最後まで読んで下さってありがとうございました。