【Netflixと拡張機能で英語力爆上がり】の理想と現実
近年NetflixにChrome拡張機能で英語学習に役立つツールを入れれば英語リスニング力爆上がりするよ、という投稿をSNSでよく見かけるようになりました。
はたして拡張機能で英語ネイティブの早口英語が爆速で理解できるようになるのか、その効果のほどが気になるので考察してみます。
ちなみに僕も英語のドラマ・映画は総計3,000時間以上は(Netflix, アマプラ、Disney+, Apple TV等)見てると思います
NetflixにChrome拡張機能で英語・日本語字幕を同時表示する
PC (デスクトップPCかノートパソコン)に、Google Chromeブラウザの「Language Reactor」という拡張機能(無料)を追加するわけですが、追加方法は
ChromeウェブストアでLanguage Reactorを選び、画面の「Chromeに追加」ボタンをクリックする、ただそれだけ(☟下スクショでは赤丸で囲ってある部分☟)。
この拡張機能のいったい何が重宝がられているかというと、Netflixで番組視聴中に日本語字幕と英語字幕の両方を同時表示できる点が一番の目玉なのです。
ついでに不明語にカーソル合わせるとポップアップで辞書が出るので、意味の確認もすぐできます
デメリット: 拡張機能はブラウザ上でしか使えない
しかしLanguage ReactorはPC (もしくはMac) のブラウザ上(つまりGoogle Chrome)からしか使えません。つまりスマホ・タブレットのNetflixアプリからは使えない機能なのです。
今の時代タブレットで動画視聴する人がすごく多いのに使い勝手が悪い気がする…
デメリット: 日本語字幕を読んでしまう
日本語の字幕・単語の意味を見るばかりでは正直、英語のリスニング力は頭打ちになりがちです。
その理由は日本人はどうしても日本語字幕を読んでしまい、それで満足してしまう、という罠にハマってしまいがちだから。これでは「楽しかったけど頭に残ったのは日本語字幕の意味だけ」で終わってしまいます。
ここではその【日本語字幕の罠】を克服するにはどうすればよいかを見ていきます。
日本語字幕の罠: 「超意訳」であるものが多い
日本語字幕は「意訳」が大半です。さらに無理やり字数制限に合わせるので、発言者の英語のセリフとはまったく別な内容に差し替えられていることもじつはかなり頻繁にあります。
なので結局は「あれ?ここの日本語字幕は英語の意味と違ってる?」と思ったら、英語字幕をしっかり読み、不明語・イディオム等を調べる、といった地道な作業が必須になります。
日本語字幕は一瞬パッと見て、後は全集中で聞くべし
「日本語字幕を全く見るな」とは僕はいいませんが、
以上が英語字幕に慣れていない方々にとって一定の効果を得るために大切なポイントだと思っています。
僕が知る限り英語リスニングが伸びないと悩んでいる方はそもそも英語を聴く量が圧倒的に足りていない例が大半なので、時間をムダにせずしっかり集中して聴く。ここが大事です。
当然できれば英語字幕で観るのが理想的ですが、実際に話聞いたり見たりしてるとそれは初級~中級の学習者の方々にとっては酷な話だったりするんですよね…
結局、英語リスニング力向上には地道な復習が不可欠
結論から言いますと、英語上達には地道な復習が不可欠であって、それはNetflixでの英語動画視聴で英語リスニングの訓練をする時でも同じです。
ここでは英語動画視聴するときに「復習」にどう向き合うかについて解説します。
英語のドラマ・映画視聴はアウトプットの場
僕自身は「ドラマ・映画を見る」は英語学習の中では副次的・補足的な存在だと考えています。また「洋楽を聞く」も同じような立ち位置ととらえています。
なぜなら「ドラマ・映画の視聴 (や洋楽を聴く)」は原則、アウトプットの場だから。
つまり今日この瞬間までに脳内に入れてきた語彙・文法知識・文化背景知識・英語の発声などが試される場にもなっている、ということです(娯楽であるだけじゃなく)。
その意味では「ドラマ・映画の視聴 (や洋楽を聴く)」は、英会話レッスンと近い活動だと僕は思ってます
英語のアウトプットはインプットがあってこそ活きる
そしてアウトプットの場は、それなりのインプットが無ければ充分に活かせないです。
と、ざっくり上記のようなものですが、やはりインプットの作業では「書籍や英語教材を読み、理解する方が効率的で速い部分」もけっこう大きいですね。
つまり整理すると、
ということだと僕は考えています。
英語ノンネイティブとしてこの15年ほど学生時代・会社員時代とつねに英語を使いながら研鑽を続けている身として、上記のことをずっと実感しています
一回見て終わりでは英語リスニング力は頭打ちになりがち
しっかりとインプット・アウトプットの両輪を回し続けるには、不明点をつぶしていくという地味~な作業と、定期的なふり返りと復習といった、これまた地道~な作業、この繰り返しが必須となります。
NetflixにChrome拡張機能入れるだけで魔法のように英語ネイティブの高速トークもラクラクついていけるようになる!
じゃなかったのか
残念ですがいわゆる英語でいう、
There’s no magic bullet (【魔法の弾丸=困難な問題を一発で解決するお手軽でカンタンな解決策】なんてないぞ)
ってやつです
Netflix等の動画だと「分からなければその都度立ち止まって英語の字幕を確認して、再度神経を集中させて聞きなおす、単語やイディオムの意味が不明ならそれらも確認する」という地味な作業を繰り返すことになります。
こうやっていると、そんなに本数はこなせないのですが、それでいいと僕は思っています。そもそも膨大な本数こなす必要はないと感じてるし、要はやっている訓練の質です。
であって、拡張機能ツールを入れるだけで魔法のように英語ネイティブの爆速英語が聞きとれるようになる、という話にはならないですね(あと20年たつと分かりませんが)。
まとめ
今回のまとめです。
英語力を身につけるには実際に現地で暮らす他なかった時代もありましたが、この15年で動画配信サービスが大きく開花し、現在はそんな必要はなくなってきています。
とはいえ上述したとおり、英語動画配信サービスは正しく使わなければただのエンタメ。しかし正しく活かせばリスニング向上をはじめ、英語力全般を高める効果を発揮します。
この記事が英語リスニング力をつけたいと願うあなたのささやかな助けになれれば幸いです。最後まで読んで下さって有難うございました。